実験計画法5
こんにちは先端技研中根です。本日はシミュレーションを使った実験計画法について説明いたします。シミュレーションの場合、所定の条件での解析結果がばらつくことはないのでフィッシャーの3原則である反復、無作為を気にする必要はありません。それでは分散分析をする必要がないかといえば、そうではありません。実験計画法4の直交表で説明しましたように要因の割り付け方法を間違えてしまうと、交互作用が出ているのか主効果が出ているのかわからなくなってしまいます。したがってシミュレーションでもしっかりと分散分析をして各要因の有意を検証する必要があります。
それではシミュレーションで実験計画法を使うケースに関して簡単に説明します。
1.主効果、交互作用の確認
実験と同様にシミュレーションにおいても主効果や交互作用を確認するために実験計画法を利用します。上のグラフは解析モデルにおいて、主効果と交互作用を示したグラフになります。ただやみくもに解析を実施していたのではこのような効果を見つけることはできません。特にシミュレーションモデルが複雑で因子が多い場合に実験計画法を使うと効率よく解析が実行できます。
2.応答曲面の作成
実験計画法の直交表などでデータサンプリングをして、その後に近似モデルRSM(Response Surface Method)を作成します。このような近似モデルを作成することによりパラメータ間の傾向を確認して、求める解がどのあたりにありそうか検証します。
3.最適化アルゴリズムによる解の探索
例えばシミュレーションで最大応力が最小となる解を探索しようとした場合、無数にある因子から探索するのは非効率です。そこで直交表などでデータサンプリングして、その条件から、より目的関数に近い解を探索する最適化で実験計画法が利用されています。
いかがでしたでしょうか、5回にわたって実験計画法のほんの一部を紹介いたしました。ご興味がありましたら弊社でサポートさせていただきますので連絡をお願いします。
次回からは品質工学のパラメータ設計に関して説明をいたします。最後までお読みいただきありがとうございます。