M-1:非線形解析(飛び移り解析)
①ペットボトルの皿バネ
- ペットボトルのキャップにはペットボトル内の水が漏れないように皿バネを配置しています。
- しかしこの皿バネに加わる荷重によっては皿バネが座屈して飛び移り現象が発生します。
②解析
- この飛び移り現象がどのような条件で発生するか確認するために非線形の構造解析を実施しました。
- この結果によって皿バネの構成を検討して飛び移り現象の影響が少なくなる構成を提案できます。
M-2:非線形解析(大変形解析+接触解析)
①課題
- 円柱をブラケットに挿入する時に操作力がどのくらい必要か、また円柱がブラケットに固定された時、十分な保持力が得られているか確認する必要があります。
②解析モデル
- 円柱とブラケットの膨らんだ部分の中心の距離は20㎜です。 円柱を下へ変位20㎜の強制変位を加え、ブラケットに押しこみます。
- ブラケットは大変形を起こしながら接触しながら円柱が固定されます。
③結果の確認
- この過程での応力、変形、拘束反力、接触圧力などの情報を確認することによって、課題をクリアしているか判断します。
M-3:防振ゴムパッドの超弾性解析
①目的
- 防振ゴムパッドは上下に金属の円板を配置してその間に超弾性材料を配置することによって振動を吸収する構成になっている。
- 超弾性材料は荷重を受けて変形するがその変形量がどのくらいになるかを把握する。
②解析実施
- 解析は超弾性材料が大きく変形するので大変形の超弾性解析を実施します。
- 解析で得られた変形量と応力を確認します。
③結果の確認
- 荷重と変形量のグラフを確認して使用する荷重での変形量を確認します。
M-4:リベットのスタンピング解析(弾塑性解析)
①目的と解析条件
- リベットは形状を塑性変形させることにより部品間を締結する手段である。
- この塑性変形がどのように発生しているかを確認する。
- 解析条件を以下に示す。
- 材料Steelの降伏応力418MPa
- リベットの丸いほうを固定
- 反対側の軸方向に強制圧縮変位を与えるリベットの塑性変形を調べる
②真塑性ひずみと真応力の関係
- 弾塑性解析を実施した結果、真塑性ひずみと真応力の関係はこのようになりました。
- この結果をみると弾性域は418MPaまでで、この値を超えると塑性域に入ることが確認できました。
③応力の確認
- リベット上の応力分布のコンターです。
- 418MPa以上は暖色で示していますがリベットの広範囲で塑性変形していることがわかります。
M-5:Oリングの非線形解析(超弾性解析)
①目的
- オーリングは部品間に介在させて、大変形をおこさせることにより部品間の隙間を埋めてシーリングする機能を持ちます。
- この検討ではオーリングからの反力をみることにより安定したシーリングができるか確認することが目的です。
②解析の実施
- リング材料 Mooney_Rivilinで蓋を0.2㎜下へ押す超弾性を実施したところ、定常状態での応力分布が導き出されました。
- この結果からオーリングのシーリング性を確認することができます。
③経時変化
- 蓋を押してからオーリングが変形する状態を非定常的に解析することにより、反力の経時変化を確認することができます。
M-6:外部解析条件のコンバート
①構造温度荷重
- Creo Simulateには構造温度荷重という便利な機能があります。
- これは外部の熱流体解析ソフトで得られた温度分布、熱伝達条件、及び圧力等の解析条件をCreo Simulateのフォーマットに合わせることにより、コンバートプログラムを開発することができる機能です。
②解析結果1
外部のソフトで計算した温度分布から温度分布による構造物の変形量を熱応力解析すること計算できます。
③解析結果2
- さらにモデルの熱伝達を可視化することができます。
M-7:多目的寸法最適化
①解析設定
- 機械構造物には最大5Gの衝撃荷重が加わります。
- この衝撃荷重に対して固有値解析、時刻歴応答解析を実施することにより、機械構造物の最適化を実施します。
- 変数:機械構造物寸法
- 目的関数:機械構造物の軽量化、機械構造物内最大応力の最小化
②最適化の実施
- 解析を実施したところ重量が小さく、応力も小さい条件が複数見つかりました。
- これらの解の中から設計上に反映させやすい解を選択していきます。
③結果の検証
- 設計案が決まったらその条件で寸法に対する感度(応力)と感度の標準偏差を確認します。
- そして寸法バラツキに対して十分なロバスト性(堅牢性)が確認できたらその条件にて設計を実施します。
M-8:プレス加工解析
①解析モデル
- パンチとダイス穴の間にブランクとブランクホルダーを介して、パンチによる絞り加工の解析
- パンチ、ブランク、ダイスをシェル要素でモデル化して1/4モデルを形成
②解析の流れ
- Hypermeshにより解析モデルを作成
- LS-DYNAによって変形解析を実施
- Hypermeshによってポスト処理
③ポスト処理結果
- 変形開始から絞り加工の進行状態での応力および変位を確認することができる。
④解析動画