Isightによる最適化
こんにちは先端技研の中根です。
今日はIsightによる最適化について説明したいと思います。
最適化と聞くと、自動で設計解を導いてくれるツールだと勘違いされますが、設計解を導くのは設計者の思考によるものです。Isightはその設計思考を助けるツールであるとご理解下さい。
キャッチフレーズは「Isightと共に、複雑な課題をシンプルな最適化へ」最適化ツールIsightによって、限界を超える最適解を導くことができます。
Isightには大きく分けて4つの機能があります。
自動化はCAEツールとIsightを繋いでパラメータを入力することにより、自動実行できる機能です。パラメータスタデイを1つ1つ設定して、解析実行するのは効率が悪いです。自動化はこれを自動実行して、夜間も動作してくれます。
統合化は例えばAbaqusとExcelなどの複数のアプリケーションを繋いで統一実行する機能です。色々な解析ツールで様々な評価をして総合的な観点で最適化を実施することができます。
探査は実験計画法や応答曲面法などを使って、解析結果を探査する機能です。最適化が終了した後、結果をまとめるもの効率的にまとめることができます。例えば応答曲面法などを使って、解析結果を俯瞰することにより最適条件だけではなくモデルの傾向を把握することができます。
最適化は解析モデルに目的関数や制約条件を設定して、豊富な最適化アルゴリズムによって最適条件を導く機能です。最適化は一番良い解だけではなく他の解に対して、優位な解をパレート解として表示します。パレート解の中から設計に適している解を導き出す機能も備わっています。
2つの活用事例を紹介します。
1つ目はレーザープリンターのミラー振動最小化の事例です。まずは現象を再現するCAEモデルを作成して、ミラーの振動レベルを出力したあと、IsightにCAEモデルを繋ぎます。
次に目的関数を設定します。目的関数はミラーの変位と加速度の最小化です。
そして入力変数であるミラー幅とミラー厚みの範囲を設定して、最適化解析を実施します。最適化解析ではミラーの最大変位と最大加速度を抽出して、どちらも最小となる入力値を探索します。最適条件として導き出した結果は現行条件に対して変位が12%,加速度が16%低減する条件を見つけることができました。
ミラーの変位と加速度は同じ周波数で最大になるとは限りません。評価する全周波数での加速度と変位の関係を知ることにより、課題となる周波数における対策が見えてくるはずです。
2つ目の事例はCAEのを実験結果に合うようにフィッテイングした材料パラメータ同定の事例です。
Abaqusで作成したCAEモデルには複数の材料パラメータが入力されています。このAbaqusモデルをIsightに繋ぎます。入力変数は材料パラメータ、目的関数は実験データと解析データの2乗和を最小化することです。
探索アルゴリズムで探索を開始して、収束した条件が最適条件です。実験データと解析データは一致したので最適化が成功したことがわかります。
この事例のようにCAEには材料パラメータが必要ですが、材料パラメータの真値の計測は難しく、コストもかかります。このような材料パラメータの同定から材料パラメータの真値を推測する方法は解析精度を向上させる方法として有効です。
Isightで提供可能なサービスについて説明します。
サービス1 Isight入門講座
3日間の講座です。講座のコンテンツはこのようになっています。
Isightの概要説明と多くの機能から具体的な事例をもとに丁寧に説明いたします。
サービス2 最適化ツール社内推進支援
大手製造メーカーで自ら最適化設計を実施して,成果を上げながら最適化ツールの社内推進をしてきました経験豊富なスペシャリストがアドバイザーとなり,最適化ツールの社内推進を支援いたします。
コンテンツはこのようになっております。
これらのコンテンツを少なくとも3サイクルは回して,自走できるレベルまで引き上げます。
サービス3 設計最適化業務委託
設計最適化を実施できる人がいないが,最適化を実施したいという場合は業務委託サービスをご利用下さい。お客様が何に困っているのか聞き取りをして,それに適した計画を立案します。
また最適化を行う解析も技術内容を教示いただければ対応いたします。
コンテンツは上記のようになっております。
サービス内容に関しましてはお客様の要望に沿ってカスタマイズさせていただきます。詳細は弊社営業までお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。